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自宅ギター録音を完全解説【無料アンプシミュレーター NAM対応】

自宅でギターを録音したい人が最初に知るべきこと

「自宅でギターを録音したいけど、アンプを鳴らせない」「どんな機材が必要かわからない」——そう悩んでいる人は多いはずです。この記事では、自宅ギター録音に必要な機材・ソフトの選び方から、無料アンプシミュレーター(NAM含む)の使い方、実際の録音手順までをすべて解説します。機材費をほぼゼロに抑えながらプロ品質に近いギターサウンドを得る方法も紹介するので、初心者から中級者まで役立てられる内容です。

録音したギタートラックの編集・ミックスには、LA Studioのオンラインエディターをそのまま活用できるので、ソフトをいくつも用意する必要がありません。

自宅でエレキギターを演奏・録音する様子

自宅ギター録音の2つのアプローチ

自宅でギターを録音する方法は大きく2つあります。それぞれの特徴とメリット・デメリットを理解した上で、自分のスタイルに合った方法を選びましょう。

① マイクでアンプを収音する(実機録音)

ギターアンプを鳴らし、マイク(代表的なものはShure SM57)を使って収音する古典的な方法です。本物のアンプの空気感と倍音を捉えられるのが最大の強みです。ただし、騒音問題・防音設備・マイク・オーディオインターフェースと複数の機材が必要なため、マンション住まいには現実的ではない場合も多いです。

② ライン録音 + アンプシミュレーター(おすすめ)

ギターをオーディオインターフェースに直接接続し、ソフトウェアのアンプシミュレーターでアンプの音を再現する方法です。深夜でもヘッドフォンで本格的なギターサウンドが録音できるため、自宅録音では圧倒的にこちらが主流です。近年は無料のアンプシミュレーターも非常に高品質になっており、有料プラグインに引けを取らないものも存在します。

自宅ギター録音に必要な最低限の機材

ライン録音で自宅録音を始めるために必要な機材は、実はそれほど多くありません。

オーディオインターフェース(必須)

ギターの信号をパソコンに取り込む変換器です。代表的な製品としては以下があります。

  • Focusrite Scarlett Solo(約1.5万円): 初心者に最も人気。音質・安定性・ドライバーの品質がバランス良好
  • SSL 2(約2万円): 音の太さと奥行きが優秀。プロも使用
  • MOTU M2(約2.5万円): 超低レイテンシー。リアルタイム演奏に強い
  • Behringer UM2(約3,000円): 予算を極力抑えたい人向け。音質はそれなりだが録音自体は可能

ポイントはレイテンシー(遅延)の低さです。弾いてから音が出るまでの遅延が大きいと演奏しづらいため、10ms以下を目安に選びましょう。

ギターケーブル(TRS/TSフォンケーブル)

ギターとオーディオインターフェースをつなぐ標準的なシールドケーブルです。手持ちのケーブルがそのまま使えます。

DAW(録音・編集ソフト)

録音・編集・ミックスを行うソフトウェアです。有料のものではAbleton Live、Logic Pro(Mac専用)、Cubaseなどが定番ですが、無料DAWでも十分な録音が可能です。ブラウザだけで完結する無料DAWも登場しており、インストール不要で使い始めることができます(後述)。

ヘッドフォンまたはモニタースピーカー

録音結果を正確に確認するためのモニター環境です。リスニング用のイヤホンやBluetoothスピーカーでは音の特性が偏っているため、できればAudio-Technica ATH-M50xなどのモニターヘッドフォンを用意しましょう。

無料アンプシミュレーターの選び方と主要ツール比較

自宅ギター録音の音質を左右する最重要要素のひとつがアンプシミュレーターです。近年は無料でも驚くほど高品質なものが揃っています。

エレキギターとエフェクターのセットアップ

NAM(Neural Amp Modeler)— ニューラルネットワーク系の最高峰(無料)

NAM(Neural Amp Modeler)は、ディープラーニング技術を使って実機のギターアンプを驚異的なリアリティで再現するオープンソースの無料アンプシミュレーターです。2022年に公開されて以来、世界中のギタリストの間で爆発的に普及しました。

NAMの特徴:

  • 実機アンプを学習した「NAMモデル」を読み込むことで、そのアンプそのものの音を再現
  • コミュニティが公開しているToneHuntでは、Marshall JCM800・Fender Twin・Mesa Boogie Rectifierなど人気アンプのモデルが無料で1,000種類以上配布されている
  • プラグイン版(VST3/AU/AAX)として各DAWに挿入可能
  • スタンドアローン版もあるため、DAWを持っていなくてもリアルタイム演奏で使える

従来のアンプシミュレーターが「回路シミュレーション」で音を再現していたのに対し、NAMは「実機で録音した音をAIが学習して再現する」アプローチを採用。このため、実機との音の差が従来の5〜10倍近く縮まったと言われています。

Amplitube CS(IK Multimedia)— 定番フリー版

有料版Amplitubeの無料版(CS = Custom Shop)。AmpegやMarshallのモデルを一部無料で使用可能。UIが洗練されており操作しやすいですが、無料では使えるアンプ・エフェクト数に制限があります。

LePou系プラグイン — 古参の定番無料アンプシム

LePou PluginsのHybrit(Marshall系)やLeCto(Mesa Boogie系)などは、2010年代から使われている老舗の無料アンプシミュレーター。現在でもNAMと組み合わせたり、軽量なので録音中のモニタリングに使う人も多いです。

Guitar Rig 7 Player(Native Instruments)— 無料版

有名な「Guitar Rig」シリーズの無料版。17種類のアンプ・エフェクトが使え、DAW内プラグインとして使いやすいUIが特徴。初心者がアンプシミュレーターを試し始めるのに最適です。

NAMを使った自宅ギター録音の手順(ステップ別)

ここではNAMを使った実際の録音フローを説明します。

ステップ1:機材の接続

  1. ギターのシールドをオーディオインターフェースのインストゥルメント入力(Hi-Z)に接続する
  2. オーディオインターフェースをUSBでPCに接続する
  3. ヘッドフォンをオーディオインターフェースのヘッドフォン端子に接続する
  4. オーディオインターフェースのゲインを調整し、弦を強く弾いたときにクリッピング(赤ランプ点灯)しないレベルに設定する

ステップ2:NAMのインストールとモデルの入手

  1. NAM公式サイトからプラグイン版をダウンロードしてインストール
  2. ToneHuntにアクセスし、使いたいアンプのモデル(.namファイル)を検索・ダウンロード(無料、要アカウント登録)
  3. ダウンロードした.namファイルを任意のフォルダに保存しておく

ステップ3:DAWでプロジェクトを作成しNAMを挿入

  1. 使用するDAWを開き、新規プロジェクトを作成する
  2. オーディオトラックを1つ作成し、入力をオーディオインターフェースの該当チャンネルに設定する
  3. トラックのインサートエフェクトスロットにNAMプラグインを挿入する
  4. NAMのUI内で「Load Model」ボタンを押し、ダウンロードした.namファイルを読み込む
  5. ギターを弾いてアンプサウンドが出ることを確認する

ステップ4:IRキャビネットの設定(音のリアリティを大幅アップ)

NAMはアンプのプリアンプ部分をシミュレートしていますが、キャビネット(スピーカーボックス)の音響特性を再現するには「IR(インパルスレスポンス)」を組み合わせるのがセオリーです。

  1. 無料IRはGuitarHackなどで配布されている(.wavファイル)
  2. NAMプラグインにはIRローダーが内蔵されているので、そこにIRファイルを読み込む
  3. または別途フリーのIRローダープラグイン(例:Two Notes Wall of Sound Free)を後段に挿入する

ステップ5:録音実行

  1. DAWのトラックを「録音待機(Arm)」状態にする
  2. 録音ボタンを押してギターを演奏する
  3. 録音が完了したら停止ボタンを押す
  4. 波形を確認し、必要であればノイズ除去・ゲインの調整を行う

ステップ6:ノイズ除去で仕上がりをクリーンに

ライン録音では、ギターのピックアップや電源ノイズによるハム音・ホワイトノイズが混入することがあります。録音後にAIノイズ除去ツールを使うと、演奏音を損なわずにノイズだけをすっきり除去できます。ブラウザで完結するLA StudioのAIノイズ除去はインストール不要で手軽に使えるのでおすすめです。

録音クオリティをさらに上げる3つのテクニック

① ダブルトラッキング(ダブリング)でギターを分厚くする

同じフレーズを2回録音し、1本目を左(L)、2本目を右(R)にパンするだけで、ギターサウンドが劇的に分厚くなります。プロのロック・メタルサウンドはほぼ必ずこの手法を使っています。2テイク目は完全に同じでなくて大丈夫。むしろ微妙なズレが「生感」と「厚み」を生みます。

② DI音(ドライ音)を同時録音しておく

アンプシミュレーターを通した音だけでなく、ギターの生の信号(DI音)もトラックに残しておきましょう。後からアンプシミュレーターを変更・再アンプ(Re-Amping)できるため、ミックス時の自由度が大幅に上がります。

③ EQとコンプを活用して存在感を出す

録音後のギタートラックには最低限以下のエフェクト処理を施すと、ミックス内での存在感が増します。

  • ハイパスフィルター: 80〜100Hz以下をカットして低音のもたつきを除去
  • コンプレッサー: アタックを強調しダイナミクスを整える(レシオ4:1程度から試す)
  • プレゼンス帯域(2〜5kHz)を少しブースト: ミックスの中でギターが前に出てくる
DAWでギター録音をミックスしている画面イメージ

ブラウザだけで完結する無料DAW「LA Studio」でギターを録音する

「DAWをインストールするのが面倒」「ChromebookやサブPCで録音したい」という場合、ブラウザだけで動作するLA Studio(無料DAW)が便利です。インストール・登録不要でマルチトラック録音、ミキサー、20種類以上のエフェクト(リバーブ、EQ、コンプ等)、さらにNAMギターアンプシミュレーター機能もブラウザ内で使用可能です。WebGPU技術によりネイティブアプリに匹敵する処理速度を実現しているため、ストレスなく作業できます。

よくある質問

Q. オーディオインターフェースなしでもギターをPCに録音できますか?

A. マイク端子付きのPCなら、変換アダプター(ギタープラグ→3.5mmステレオ端子)を使ってギターを接続することは物理的に可能です。ただし、音質が著しく低下する・レイテンシーが大きすぎてリアルタイム演奏が困難・ノイズが多いといった問題が発生するため、本格的な録音には向きません。予算が限られていてもBehringer UM2(約3,000円)程度のオーディオインターフェースを用意することを強くおすすめします。

Q. NAMのモデルはどこで手に入りますか?無料で使えますか?

A. ToneHuntが最大のコミュニティで、Marshall、Fender、Mesa Boogie、Diezelなど人気アンプのNAMモデルが1,000種類以上無料で公開されています。アカウント登録(無料)が必要ですが、ダウンロードは無料です。モデルごとにユーザーのレビューや評価がついているので参考にして選びましょう。

Q. アコースティックギターの自宅録音も同じ方法でできますか?

A. アコースティックギターはエレキギターと異なり、ボディの共鳴・空気感がサウンドの核心なので、マイク録音が理想です。ただし、ピックアップ(サドル下のピエゾ型など)が搭載されている場合はラインで録音することも可能です。その場合、EQやリバーブでマイク録音に近い音に近づける処理が必要です。防音が難しい環境では、コンデンサーマイクを使って小音量で録音し、AIノイズ除去で環境音を処理する方法も有効です。

Q. レイテンシー(遅延)を減らすにはどうすればいいですか?

A. レイテンシーを下げるには以下の設定を試してください。①オーディオバッファサイズを小さくする(128サンプル以下を目標に。ただし小さくするほどCPU負荷が増す)、②ASIOドライバーを使用する(Windows)(Windows標準ドライバーより大幅に低レイテンシーを実現。Focusrite製品なら専用ASIOドライバーが提供されている)、③サンプルレートを44.1kHzまたは48kHzに設定する(96kHzなどの高サンプルレートは処理負荷が増える)。目標は10ms以下で、多くの人が違和感なく演奏できるレベルです。

Q. NAMとギターアンプシミュレーター(Amplitubeなど)の音質の違いは何ですか?

A. 従来のアンプシミュレーター(Amplitube、Guitar Rigなど)は回路の物理シミュレーション(DSP)で音を再現しています。一方、NAMは実機アンプの音をニューラルネットワークが学習して再現するAIモデルです。特にアンプの非線形な歪み特性(倍音成分)の再現精度がNAMの方が高く、多くのギタリストが「実機に最も近い」と評価しています。ただしNAM単体ではキャビネットシミュレーションが別途必要であること、モデルの品質がアップロードした人によって異なることには注意が必要です。

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